満月の日の話
私が高校1年生の時、大好きなおじいちゃんが亡くなった。
おじいちゃんは初孫かつ唯一の女の子である私をとても可愛がってくれていた。
おじいちゃんの家に行くと毎回お小遣いをこっそりくれた。
小学校高学年〜中学校2年くらいまで思春期だった私はおじいちゃんの真っ直ぐな愛情を恥ずかしがって素直に受け止められていなかった。
いまだに申し訳なかったなと思う。
それでも変わらず愛してくれたおじいちゃんは私にたくさんお金もかけてくれたし愛情も注いでくれた。亡くなる直前まで、頭のはたらきが鈍くなって記憶が定かじゃなくなっても私のことを考えてくれていた。
本当にありがとう。
薬剤師だったおじいちゃんに医者になった私を直接見せてあげたかったなと時々思う。
そしてこれからもずっと見守っていてねとも思う。
おじいちゃんが亡くなってから、母と祖母はイタコさんに頼んで天国に行ってからのおじいちゃんの様子を聞いた。
こっちの世界にいる時から勉強熱心だったおじいちゃんはあっちの世界でも修行を頑張っていて、既に周りの人から尊敬されているらしい。
そしてもう一つ言っていたのは、
満月の日はみんな月を見て。おじいちゃんも見ているから。
ということだった。
それから毎月満月の日になる度にみんなで満月を見ている。
今日は満月。
おじいちゃんのところからはよく見えているだろう。
こっちからは少し曇っていて見えない。
少しでいいから晴れてくれないかな。
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